蒔絵と美味しい物と私

新潟県在住34歳♀。 蒔絵描き。元DTPデザインしてました。ぽっちゃりアラサーです。日本の歴史ある伝統的な芸術が好きです。

カテゴリ: 蒔絵

この数か月、久々に外で労働をせずに
蒔絵だけに向き合う日々で
焦るけれどすごく充実した楽しい時間を過ごさせていただき
お仕事をくれた方々に感謝感謝でございます

今は、その作業が終わって
張りつめていた糸がぷよよ~んと弛んだ感じです
腑抜けております…(魂どっか行きました)
時間があればやろう!と思っていたことが
今はできる時間があるのに
何をしようと思っていたかも忘れるダメ人間っぷり

ゆるく頑張っていきます~

*****

さて
この前のNHKの日曜美術館で
「日本伝統工芸展」の特集が放送していて
どの方々も(当たり前ですが)凄い技術ばかりで、
すっかり見入ってしまいました

↓こんな美しい陶器なんてウットリしちゃいます



そうそう、今回はなんといっても、
最高賞である総裁賞に「蒔絵」が受賞されていました
すすすす、すごいこっちゃ~~~
↓こちら「氷壁」という作品
 会津の方で、会津の厳しい冬をイメージされたそうです


ハイレベル過ぎて勉強になるとかそういう感じとも違うんですが
ワタシも蒔絵をほんの少し齧らさせていただいていますし(←自信なし)
このような素晴らしい作品を見ることによって
頭の中で蓄積して、自分で咀嚼して
いつか吐き出せればいいな、なーんて(←超おこがましいわ~)
いやいや実際そんな気張らず、ただただ美しい作品なので目の保養でございました

*****

しかし伝統なんちゃらってすごく堅苦しいですよね
知識豊富なご高齢の方々にしか響かないような…
でも今回見て思ったんですけど
伝統工芸を引き継ぎながらも、アート色の強い作品が選ばれたましたよね

昔の伝統をただ、なぞった様な伝統工芸品より
「今の時代」を表したような作品の方が
より未来へ、発展した伝統工芸品を生み出すことに繋がる、
だから、そういった躍進的な作品が選ばれている、のかな?なんて
(…偉そうに言ってみたりして)

そうなると伝統工芸品とはいっても、
現代アートのような一面が垣間見れてワクワクしませんか
ワタシももっと「伝統工芸品」に興味を持っていこう~
そんなことを思った今日この頃でございます





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今回は、少し珍しく「牡丹と蝶」を描かせていただきました

IMG_9364 (2)

平安~鎌倉時代に中国から伝来された牡丹ですが
中国では「花王」「百花王」「神花」とも呼んでいた…と
とにかく花の王様だ!!!というのが伝わりますね
「富貴」の象徴としたそうです

この考えを受け継いだ平安貴族は
「牡丹」を、美と権力の象徴とし
百獣の王である「獅子」と組み合わせた「牡丹に獅子」が
とっても好まれていたそうですよ

*****

さて、今回描きました「牡丹に蝶」は、
室町時代の蒔絵によく描かれていて
江戸時代ではさらに、陶磁器や染織の文様としても
人気が高かったそうです

今回描いていて、蝶ってなんだか乙女チックだわ~
なんて思っていたのですが…
先人の「蝶」の文様に込めた意味は
そんな生半可な気持ちではないところにありました

*****

蝶は『卵-幼虫-さなぎ-羽化-成虫』と変化の様子が神秘的で、
「不死・不滅」「回生」「復活」の象徴とされていた歴史があります
戦で死と隣り合わせだった武将たちが身につける、鎧や兜には
蝶の文様が好んで用いられたそうで…
「死んでも生き返るぞ!!」といった願いや
士気を高めるためにも人気だったのかもしれませんね


仏教的には
さなぎから脱皮して、美しい羽根で飛び立つことから
死後、身体から抜け出した魂を
極楽浄土へ運んでくれる、神聖な生き物とされていました
あの世とこの世を行き来するため
仏教的にも「輪廻転生」の象徴だったそうですよ
その時代の「極楽浄土」への憧れが、美しい蝶に委ねているみたいですね

*****

先人達は「死」という不安を少しでも和らげるために
必死で色んなものに縁起を担いでいたんだな…と思うと
どんな思いで「蝶」を描いていたのかは、
今の世のワタシには想像を絶しますが
ともあれ、文様には色んな意味が込められていて面白いです

*****

ちなみにワタシは
蝶々が飛んで来たら一目散に逃げます…(←虫が苦手)









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蒔絵修行中の身でありながら
描かせていただけるチャンスが舞い込むって
どれだけ自分が恵まれているんだろうと
ふと土下座したくなります(←誰に)

****

2020-09-19-13-19-23-414

あらかた蒔き終えたら
重ねて漆で筋を描いていきます↑↑
これ…失敗すると大変なことになるんです…

なぜなら…
漆を消すには、テレピンという精油で
拭き取らなければならなりません
未熟な私は、下に蒔いてある色さえ
取れてしまう現象にさいなまれてしまうのです~
どうして~~

せっかく蒔いた色がおかしくなってしまうので
やり直しするとしたら前回の工程からやり直し…
もう投げ出したい気分になります~
なので慎重に慎重に描いていきます

*****

2020-09-19-13-17-48-008

あらかた筋を描き終えたら
たっぷり金粉を蒔きます
あ~1グラム8,000円以上の金が~~
とか思っちゃうんですが
師匠に教わったコツは

「金粉をたっぷり、使う事
 決して金粉をケチってはいけないよ」

線を描く時は、たっぷり漆を筆に付けて
擦れないように描くので
金粉があまり付いていないワタが当たってしまうと
ワタに漆が付着してしまい
結果、ちいさな無数の点が出来てしまうのです!!


金粉をたっぷり使わないと失敗する、て…
本当に贅沢な芸術だと思います

*****

未だ師匠の言葉を
ひとつひとつ思い出しながら
作業してます

2020-09-19-16-31-55-719


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2020-09-05-14-57-58-617
漆が完全に乾いた後に
再び違う漆を
上から薄ーく塗ります

これが言わば接着剤の役目をして
粉をくっ付かせるんですね
ここからが鬼難しい作業なんですが
温度や湿度によって
どのくらい乾かすかかが違ってきます

2020-09-05-15-18-51-797
勘でイケるッと思ったら
自分の蒔きたい粉(色粉や金粉)を
わっと蒔きます

こんな感じの作業が
まだ膨大にあります
ヤバいです
すでに追い詰められています

しかもこのタイミングで
筆がご臨終しました
おおおおおおお落ち込んだって仕方がないので
(かなり動揺しております)
違う筆で代用していこうと思います

*****

9月って事を忘れそうになる暑さですが
秋はなんといっても
日本を代表する光景の1つ「紅葉」が楽しみです

燃えるように色づく光景は真っ直ぐに美しいと思います
だけど、すぐにハラハラと散ってしまいますよね
昔から、その情景の無常さや哀れさが
それもまた美しい!とされていました

そんな日本人独特の美意識を
自分も大事にしていきたい所存です

物悲しさの「美」を
存分に感じられるのが「秋」の醍醐味…ですね~

(まだまだ先だわ~)

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作業過程です

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↑下絵を映したものに…

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モリっとさせる漆を盛りました

毎日少しずつ行ってもいいのですが
今回は3~4時間集中して一気に盛りました
気づくと首や腰やらが
痛い痛い

****

漆って粘り気があるので
絵具のように、サッサか描けないのです
ゆっくりゆっくり
上から下へ一定方向に
筆を走らせないといけないので
せっかちな人は中々ツライ作業

私も段々集中が切れると
荒々しくなってしまう
無意識に早く進めたいと焦るのでしょうね~
急がばまわれ
ゆっくりと落ち着いて描くことで
ふっくらと漆が盛れます

そう思うと手書きって
心情すら現れてしまいますね
そこがまた面白いと思いますし
様々な絵師さんの
成長を見るのも面白い

ちなみに私は昔の自分の描いた物を
見るのが苦手です(←半人前なので当然です 汗)

*****

ちなみにこの段階だと
「蒔絵」というより「漆絵」ですね
蒔いて初めて「蒔絵」になります

作業中って撮影しづらい(忘れる)のですが
今度挑戦してみようと思います~


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仏壇のキャッチコピーは
「家の中の小さなお寺」

歴史的にみると
一般の家に仏壇が広がったのは室町時代
庶民の家まで普及したのは江戸時代だそう
結構最近ですよね~

江戸幕府の宗教政策として
「各家庭は寺院の檀家になれ~!」
と義務付けられて
仏壇はその証として定着してそうです

*****

そんな想いの場所に
描かせていただけるなんて
本当に有難いことだと噛みしめております

IMG_9311 (2)
上が「蓮水」です
ダイナミックで柔らかい葉と
どっしりと鮮やかな花

下の細長いものが「秋草」です
秋の風が吹き抜けるような
細かくて繊細な題材です

*****

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私を毎度
震え上がらせる「家紋」です
手書きで文様を描く緊張感は
半端じゃないです

*****

IMG_9289 (2)
蓮の葉は、色んな緑を施すことで
リズムを出し、それぞれの個を重んじました
そして花びらが散ることで
儚さ、そして愛しさ美しさが加わった「蓮水」を
描かせていただきました

*****

IMG_20200809_144441
仏壇の「壇」とは
「花壇」や「祭壇」のように
通常より一段高く作った場所、の意味です

仏壇は見上げてお祈りをする場なので
扉の「蓮水」は下から見上げているように
水面部分を大きくとった構図に致しました

ぜひ、仏壇の前に座って見上げていただき
信仰する宗派、故人を供養する、
其々の想いで、手を合わせていただけたらと思います


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